第十四回 卒業生に贈る言葉(令和二年度)

“世の中はいつも 変わっている から頑固者だけが 悲しい思いをする 変わらないものを 何かにたとえてその度崩れちゃ そいつのせいにする シュプレヒコールの波 通り過ぎてゆく変わらない夢を 流れに求めて”

10代の終わりに私がよく聞いていた中島みゆきの世情である。

私が桜水会の事務局長をやって3年が過ぎた。この間、日大も日本も、とんでも無く変化している。しかし、それは有る日突然に前触れなく顕在化してきた。今までも先人たちは日本を変えてきた。我々日本人がより幸せな生活を送れることを信じて。でも、最近日本では種子法廃止と農薬(グリホサート)使用の緩和、水道民営化、移民法など、我々の生活の基盤が大きく狂う様な社会システムの変更が起きている。

進化生物学の世界も動的平衡という言葉がある。生物は代謝や様々なシステムを変えながら、今までと同じ様に生存を図る。そろそろ、我々も何のための、誰のための動的平衡なのかを考える時が来ているのではないだろうか。しかし、この多難な時代にこの学び舎を148名が去る。彼らが頑固者だけが悲しい思いをする世の中を変えてくれることを切に祈る。さて、私の後任として廣海十郎先生が事務局長になる。廣海先生もまた、桜水会を変えてくれることと思う。皆様この3年間本当に有り難うございました。末筆ながら、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

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