第九回 人が生きるためのエネルギーとは

2018年2月15日

研究所を去る日が目前となってきた。本当に疲れ果てる日もあったが、やはりこんな研究所で思いっきり研究が出来る自分がどんなに幸せなのかも身に沁みる。ある年齢になると、君はもう良いではないか!管理職として生きろと言われ、自分の大好きな研究から遠のくことになることに潔しと出来なかった自分がいた。私はそれが嫌で企業の研究所を退職して大学に戻った。でも、大学は大学で象牙の塔であるため、世間を知らない輩が跳梁跋扈する世界であり、確かに疲れ果てる結果にもなった。

しかし、人間を大きく変える力は何処にあるのか?やはり学ぶべきものを持った人間との出会いに有ると思う。大学に戻った瞬間、全く異なる人間達に出会えた。確かにうんざりする様な特性を持ち合わせた輩でもあるが、彼らとの接触は私の人生を変えた。私は今まで2回の海外での研究生活を送ってきた。1度目はカナダのバンクーバー、2回目はこのSan Diegoである。単に楽しかったのはバンクーバーで有る。若かったからかもしれないが、私の青春時代だったように思う。今回の研究生活はハプニングの続発でかなり心底疲れた。ここで、私は何を学んだのだろうか?

それは研究のテクニックだけでは無く、人間が溌剌として生きて行くためには希望がどれだけ必要なのかと云うことを自らの心をモデルとして実験出来たことに有るように思う。

絶望に次ぐ絶望が押し寄せる中、この悪循環をどのようしてたち切るのかが、重要な課題となる。諦めてしまうと、自分ではその中から出ることが出来ず、唯々諾々と他人の支配下に置かれる事になる。これは研究でもプライベートな事柄でも同じある。しかし、諦めないで、チャンスを探し続けて行くことで、道は本当に開けてくる。この、希望を見つけた瞬間にどんなふうに自分の心が変わるのかを、君達は知っているだろうか?全く驚くような変化なのだ!今まで死んでいた自分の心に血液が流れ込み、蘇生する自分をありありと認識することが出来た。私の残りの人生の中で幾つものピンチが訪れることと思う。でもしかし、希望を武器に人生に抗ってみたいものである。

さて、明日は私のセミナーだ。1時間以上も話し続けなければならないセミナーなので思いっきり楽しもうと思っている。火曜日の朝にはSan Diegoを発ち、横浜に戻ることになる。また、いつもの日常に我が身を委ねることとなる。すこし、寂しいかな?

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